Hello World!!
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---------まいほーむ---------








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グーグル先生





部屋の中は食べ散らかしっぱなし
自分で片付ける気すら起きはしない

身をよじらせると、体中が痛い

<ちくしょー……>

僕は自堕落な毎日を送っていた

トゥるるるる、トゥるるるる、トゥるるるる

電話にもでない
仕事なんかお断りだ

今頃、あのいつもの不機嫌な顔は、
さらに醜く不機嫌に歪んでいるのだろう

それとも僕などいなくても
自分の部署は回っていく、
つまらないやつだったと笑っているだろうか

電話はぷつりと切れ
そのまま、しんとした空間が広がる

僕はこたつの中でじっと考え事をする

僕の代わりなんていくらでもいるのだ

今までの功績は?
一度のことですべてを失ってしまうのか
虚しさを感じた

先日のことである
敵トカゲの宇宙船に乗り込み
単身突っ込みをかける

遮蔽に身を隠し
雨あられのような敵の銃撃をかわす

そして隙間を縫って、
トカゲの頭を撃ち抜いていたその時だ

<のけ、俺がやる>

一匹のトカゲが現れる

そして一発の銃弾を放った
僕の銃を狙い打たれたのだ
取り落とし、手の届かない場所へと滑っていく銃

すぐさま、懐の予備の銃を取りだし構える
訳も分からないまま、トカゲめがけて乱射した

だが、そのトカゲは、尻尾を薙ぎ払うようにして
その連射を弾いていく
尻尾に取り付けられていたのはプロテクターだった

<がっかりしたか?残念だったな>

そのままトカゲは僕にもう一発の銃弾をお見舞いする
一発で十分だったのだ
それで、僕の予備の銃をはじき落とす

もう手持ちの銃がない
素手での戦いなどからっきしだ

<たすけてー!>

逃げることも考えたが、ここは宇宙のひと船
狭い宇宙船内では、その間もなく取り囲まれた

両手をあげ、降参した僕は
腕をひねり上げられ
そのまま簀巻きにされる

敵に殴る、蹴るの暴行を加えられ
そのまま宇宙空間へと放り出されたという顛末である

敵宇宙船は、人さらい犯の船だったということらしい
その後、敵の宇宙船は、味方の警戒網を突破し
人間を積んだまま、敵の惑星へと逃げ帰ってしまった

あれ以来、僕はふてくされて、家に閉じこもっているというわけだった

あのトカゲのやろう……

ネット検索で調べる

見つけた、この傷のあるトカゲだ!
人間の間ではまだ名は知れ渡っていないようだ
だが、トカゲの国のサイトでは、華々しい成果を収めていた

密輸、銀行強盗、殺人……
一番新しいものに、誘拐というものが追加されていた
誘拐 new!

このサイトの記者は仕事後のインタビューもしていたようだ

簡単な仕事でしたよ、一匹、邪魔なゴキブリが混じりこみましたがね

僕のことだ!
くそっ……ゴキブリだと……
どかんとテーブルを叩くと、ノートパソコンの画面が揺れる

復讐だ……!

カチカチ……、パソコンを操作していく
にっくきトカゲの顔、まずはダウンロード

それをフォトショップで……
ゴキブリの画像の上に張り付けてやるのだ

ゴキブリはお前の方だ!

できたー

みごとにトカゲゴキブリができた
あとはこれをネットで拡散してやるだけ

ターン!


報復完了……

僕は満足した



数か月後


やっと重い腰を上げて仕事に復帰した僕

今日はよく働いたなー
誘拐犯から人質を取り戻したのだ
そういや、あいついなかったな

それはバイクで帰宅中でのことだった

道の途中で見ない集団に出会う
みんなでどぶさらいをしているようだ

ん?あいつは……

<おーい、こっちも頼むよー!>

<はいよー!>

道のわきのどぶさらいをやめると
呼びかけられた方へと向かうトカゲ

そこで、ふと僕の方へと目をやった

<あっ、お前は!>

トカゲはゴム手袋をした手から、シャベルを落とす

僕のことを覚えていてくれたらしい
僕は止めたバイクから降りる

トカゲは三角巾で頭を覆い、長靴をはいていた
僕の顔を見て、トカゲはあのインタビューのことを思い出したのだろう

<なんで、俺がこんなところでどぶさらいを……!>

わなわなと怒り震えるトカゲ

<それは、ゴキブリの画像のせいだ!>

あの画像を僕が投稿した後
人気が急落して、トカゲの国では生きていけなくなったのだという

<お前のせいだったのか……!>

許せない……
トカゲは震える腕をぐっとこらえる
そして、ゴム手袋をした手を、僕の方へと突きつけた

<決闘だ!>

なんと、この格好でも、戦えるというのか?

<いいだろう……決着をつけてやる!>



ひゅううううううう………

一陣の風が流れる

この静寂の時
聞こえるのはじゃぷじゃぷと、
どぶさらいをする音だけだった


奴の銃は腰のホルスターに収まっている

悔しいがやつの実力は本物だ

勝機は、あのゴム手袋
それによって、生まれるわずかな照準の誤差だった


どちらかが動けば始まる……




ちゃりーん……

<どぶの中から五百円玉、見つけたっペー!!>

その怒号が合図となった

トカゲは、小銭の音に一瞬の気をとられた
よほどの安月給だったのだろう

僕はその一瞬の隙を見逃さなかった

ホルスターから銃を引き抜き
トカゲの頭に向けて、連射する

<甘い!>

トカゲは目を小銭に取られながらも
その尻尾は、しっかりと頭を守っていた

しかし、あの時のプロテクターはない
尻尾は銃の弾を受け、その肉を焼いた
焼け落ち、引きちぎられる

だがトカゲの右手は、すでに銃を持ち
僕に向けて構えられていた

ぐにゃにゃ……

ゴム手袋だ!!

トカゲの右手から放たれた銃弾は
僕の頭をわずかにそれていった

僕は、銃から最後の一発を放つ

その銃弾は、正確にトカゲの右手に収められた銃をはじき落とした

<くっ、殺せー>

トカゲは、銃を失い、戦意喪失
もはや死を覚悟したようだ

僕は懐から予備の銃を、左手で取り出す
念のために、左手でエネルギーを溜めておいたのだ

トカゲに向けて放てば、一瞬で消し炭と化すだろう
僕は左手の銃を構える


しーん……

ちゃぷちゃぷちゃぷ……

<どうした?撃たないのか>

ばきゅううううんん……

トカゲの立っていた場所から
数メートルずれたアスファルトの道路が、大きく削れ去った

<まだまだ甘いな>

トカゲは振り向き、そして仕事へと戻っていった


<今度はトランクケース、みつけたっぺー!!!>