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『 ●釣り中のおじさん ダンボール小屋前 お昼時 タバコを吸った、ひげぼうぼうの男がひとり 池の前で釣りをしていた <つれねぇなぁ………> <しょうがねぇ 今日はランチの弁当の残りを食うか………> ごそごそとコンビニの廃棄弁当を 段ボール小屋から取り出すひげ男 <ん………?待てよ?> 弁当の蓋を開けて、気づいたように顔をあげる 弁当には大きなベーコンが入っていたのだ <そうだ!このベーコンを餌に………! こんなしけた餌、使ってるから悪いんだ!> 釣り具をいったん回収すると、 先の釣り針についていた へんてこうねうね毛虫をはずして、ベーコンをつける <そら!人間様の食い物だぞ! さっさと食いつきやがれ!> ひげ男は、ベーコン餌を池の中央に、ぽちゃんと落とす <かかったぞ!> 落としたその瞬間に、もうその針には獲物がかかっていた <で、でかい!超大物おおおおぉぉぉぉぉ!!!!> ひげ男は、しなった竿を折れぬように 釣り糸を切れぬように、ぐんぐんと巻き上げていく <今夜の飯ー! ぜったい釣り上げてやるぜー!> ざばあ……… <な、なんだ!こいつは………! で、でかすぎる………!> ひげ男はあまりの大物に恐れをなす だが、いざというときの護身用に包丁を持っていたのだ <よ、よし 後はこれで仕留めて、引き上げるぞ!> 獲物に向かって、包丁を突きつけるひげ男 包丁を、その獲物の首に振り下ろした ぶしゃあ……… 血しぶきが上がる <ぐ、ぐぎゃああああああああああああ> ぐちゃぐちゃぐちゃごしゃごしゃごしゃ…………! 真っ赤な血に染まる近所の池……… ●ジェニ君、電車 ==================== ポニーテールの少年、ジェニ君は 電車のなかで一息をついているところであった ==================== 僕は今、安らぎの空間にいた 席が向かいの綺麗なオネイサンの太もも これを、何分も前から、じろじろと観察していた おねいさんのスカートが、なにしろとんでもミニなのだ おねいさんがたじろぐごとに、ちらりちらりとみえる白いパンティ 思わず鼻息が荒くなってしまう おねいさんは迷惑そうにもじもじとして 視線を逸らしているが、そんなことは関係ない 僕は、さきほどからひたすらに、太ももの中に視線を注いでいた ごほん、ごほん! ん?なんだ………? 突如聞こえる咳払い……… 隣を見ると、老眼鏡をかけた爺が、こっちを睨みつけてきた 気付いたのか……… うるさいジジイだ………、逮捕するか………? 国家権力を行使して、黙らせてやってもいいのだが さきほどの咳で、周りの目がこちらへ向いてしまったようだ ここは、電車の中、最低限のマナーは守らなければならない 仕方なく、おねいさんの太ももから目を逸らし、大きく首を振ると さきほどの爺の方を恨めしく睨み返す……… 爺は、電車の中で大きく新聞を広げ なにやら熱心に読み込んでいるようだ まだ、新聞とか読んでるひと、いたんだ………!! いまや時代錯誤と化した新聞 めったに見られなくなった紙面は今の世代には、馴染みがない どんな記事がのっているのか、逆に興味がわくというものだ どれどれ……… 今度は、新聞の中身を横から覗き見する すると、でかでかとオカルトじみた内容の事件が目に飛び込んできた ●一面記事 ======================== ・真昼の公園に殺人事件か 真昼の公園から、叫び声が響き渡る ブランコを漕いでいたサラリーマン風の男が 最初にその公園の池の異変に気づき、通報した 警官たちが現場に駆けつけると、 赤黒い血に染まった池がそこにあったという 死んだのは、公園にいつからか住み着き 池の魚を釣って生活を立てていたホームレスおじさん おじさんの遺体は今だ発見されていない 現場に残されたのは、段ボール小屋とひとつの弁当だった ======================== これ、近所の公園じゃないか あのおじさんが死んじまったって………!? 近々、隣の部署の治安維持隊が あのダンボール屋敷を襲撃する手はずとなっていた 携帯端末でも調べてみよう ぴっ、ぴっ おっ!、出てきた! ======================== 噂推論まとめ……… ダイナミック入水自殺?? ホームレス嫌いの人間による殺人?? 池の主に襲われたんじゃないの?? ======================== 僕は携帯端末から目を落とす あんまり身近な事件過ぎて、逆に気付かなかった 常に世界の情報に気を配る………そんな習慣が仇となったのだろう 灯台下暗しというわけか たまには新聞も、役に立つじゃあないか! 爺も捨てたもんじゃないと見直した思いになった 再び、爺を見ると、何やら、うひうひと笑みを浮かべている その視線の先の新聞には、小さな穴が空いていた <たまらんのー!!> ●無事、逮捕 <なにをしたっていうんじゃ!なにもしとらん!> あれから、近くの駅で降りて、交番の近くにまで来た 太もものおねいさんにも、被害者ということで同行してもらった <いて!杖を振り回すな!> 後ろ手に拘束してもいまだ暴れ続ける爺を、警備ロボットに引き渡す <こいつです!こいつが覗きです!> ロボットに引き渡されると、急に爺はおとなしくなったようだ <警備ロボット殿! こんな子供のいうことを真に受けてはなりませんぞ!> しらを切る爺 そこへ、決定的証拠をまず突きつけてやった <これが証拠です!> 僕はロボットに、端末をまるで印籠のようにかざす そのディスプレイに映し出されたのは、証拠画像だ にやつく爺の顔が大きく映し出され その先には穴の空いた新聞と、おねいさんの太ももが写っている すかさず端末で激写したのだ <こんな隠し撮りを………! こ、これは犯罪ですぞ! 女性のまたぐらを盗撮などとは!> 爺は鼻息を荒くして怒っているようだが これは犯罪の目撃証拠写真であり、違法性はない <こら!ロボット!なにをしてるんじゃ!この子供を捕まえろ!> ロボットはその言葉を無視して、証拠の端末を受け取る ぶすっ………! ロボットは、端末に端子を差し込むと、データの読み取りを開始した ●協力体制 <ほほお………これはこれは………、けしからんですな それではこの画像は、証拠ということで引き取らせていただきますよ?> <ちなみに、この写真を撮ったのはあなたということでいいですね?> <はい、現行犯で逮捕しました> 懐から取り出した手帳をみせると 爺は口をあんぐりと開いて固まってしまった <警察の方でしたか、ご苦労様です> <隣のこの子が被害者です、そうですよね?> 浮かない顔で、こくりとうなずくおねいさん それを見てロボットは確信を持って、うんうんとうなずいた <間違いないようですね! ご協力に感謝します!> かしゃりと敬礼のポーズをとる <それでは、被害者の方は今日はお帰りください 追って連絡を入れますので、示談はそれからということで………> ロボットは、固まってしまった爺の方へ向き直る それで爺は、やっと我に返ったようだ 近づくロボットの頭を杖でごんごんと叩く <こら!ぽんこつ!何をするんじゃ!やめろ!> ばきっ………! 杖は簡単にへし折られ 爺はその場に倒れこんだ <冤罪じゃー!これは冤罪なんじゃー!> かしゃり……… まもなくロボットは、暴れる爺に手錠をかける 僕は、その様子を横目に見ながら振り返り 被害者のおねいさんと一緒に歩き出した <待てー!逃げるな!お年寄りは大切にせにゃならんぞー!> ロボットは倒れた爺を引きずって、交番の奥へとつれて行くようだ これで、今月のノルマも一歩前進……… うんうんとうなずき、爺には適当に手を振っておいた ●意外な強敵? 交番を出ると、太ももおねいさんはとたんに笑顔になった <ありがとー!これで慰謝料がっぽがっぽ!> な、なんだ………!? 今までの大人しめの印象をぶち壊す、軽い発言だ これじゃただの、ちゃっかりしているおねいさんじゃないか……… もしかしたら、わざとそんなミニスカートを………? 僕が再び太ももに目を落とす すると、おねいさんは、ちらりとスカートをめくってみせた おお………! <今月のお小遣いが足りなくってさー! でも、わたしだけでも、十分だったんだけどね、………> 僕が、スカートの中を遠慮しがちに見つめていると おねいさんは、今度は胸元から端末を取り出して、にやりと笑った 隠しカメラ! 罠だったのか……… あぶない、あぶない……… 一歩間違えば、僕も危険だった……… ぞくりと背筋が凍る思いがした これからは、注意しなくてはいけないな……… ●ふとももおねいさん <でも、まさか警察の人だったなんて 通報しなくて良かったー! 思いっきりじろじろ見てたから、> はははははは………! <ところで、そのデータは消してもらえるの?> 僕は、おねいさんの胸元の端末を指差す <ぶー!だめでーす!> ばってんを作り、胸元を隠すおねいさん <せっかくの証拠、渡すわけないでしょ? いろいろ便利そうだし………> ちくしょう………! どうやら弱みを握られてしまったようだ <とりあえず、ワンって言って?> <わん………> ●公園の銃声 どうにかして、消去できないものか……… このままじゃ、僕の面目が……… 僕はおねいさんの胸元を凝視して、作戦を張り巡らす いっそ端末を……… 手を突っ込んで……… ばうん………ばうんっ………! ………………! その時、どこからか銃声が 公園だ! 公園から銃声が聞こえた 僕は公園の塀をぴょんと飛び越えると 茂みの後ろに隠れた なぜか、おねいさんもついてきてしまったようだ <なになに?事件?> 三人の銃を持った男たちがそこにいた サングラスをして、帽子をかぶり、ジャケットを着込んでいる 猟銃を構える姿は、どうやらハンターのようだ 山の中じゃあるまいし 公園の中で、このような姿 場違いもいいところだ <おい、次の獲物は?> <いえ……… さっき、そこの茂みに何か………> げっ、ばれてた……… ハンターの中で、リーダーと思しき男が 猟銃をこちらに向けた <出て来い!> 手を上げて、恥ずかしがりながら 茂みの後ろから姿を見せる僕たち <表のテープを見なかったのか? 部外者は立ち入り禁止だ> 獲物と間違えちまうかもしれねぇぞ? にやにやと笑いながら、僕たちを品定めする ●ハンター集団 リーダー風のハンターのほかに ひとりは鍛え抜かれた筋肉質の体の男 もうひとりは、なにやら怪しい目をぎょろぎょろさせた男だった <どうしてこんなところにハンターさんが いるんですか?> <事件解決のためだよ 俺たちは街から依頼を受けてきたんだ> そういえば、この公園は、新聞で見た 公園と一緒だった <あー、あの残虐事件のことね オカルトじみたやつ> <オカルト?いやいや、違う……… これは単なる害獣被害だよ> <昨日の事件は、ミンチガメの仕業さ> カメ??カメってなんだ……? ●宇宙生物 ミンチガメ カミツキガメを思わせるカメ 主食は肉だが 顎の筋肉が強く発達しており その噛みつきは、岩をも砕く 不用意に近づいた生物は たちまちミンチにされてしまうだろう 近頃の水生態系を荒らしている 宇宙からの外来種モンスターである ●池のモンスター <俺らはその、カメ専門の害獣ハンターってわけ> <よかったな、うさぎ専門なら あんたたち、間違いなく死んでたぜ> 新聞で見た記事、あれはこのカメの仕業だったというわけか <カメの首には賞金がかかっている 一匹ごとに金をかけてたんじゃあ、いつまでたっても解決しない だから、すべてのカメを駆除すれば一千万の賞金が出るのさ> ハンターの男が言うには 昔、別の街がミンチガメに悩まされていたときに依頼したところ ハンター集団のおかげで解決した歴史があるのだという 今では、ミンチガメに困ったときは、ハンティング協会に頼んで駆除してもらうのが慣わし、伝統なのだとか <でも、一匹換算だったらいくらに………?> この公園は、そこそこ大きな池があるので有名だった <この池にいるのは大体、50匹といったところか> 計算すると1匹二十万円にもなる なんてぼろい商売だ <にいちゃんも参加するか 倒した分だけ、分け前をやってもいいぜ………!> <や、やります!> ずいいと前に出て、やる気を見せる僕 <あ!そうだ!その報酬で この画像、買い取ってよ!> なんて女だ………! しかし、願ってもないチャンスでもある 不祥事を起こして失うものは大きい おねいさんの提案に、僕は快諾した ●カメ狩り ハンターの方からハンティングライフルを渡される僕 僕は、ライフルを担いで池に向けて構える ちゃき…… おねいさんも、なぜかハンティングに参加するようだ おねいさんがライフルを構える様子は、まるで屋台の射的のようだった ライフルを構えながら、池の水面をさっと眺める なにもいそうには見えない <水面下にはごろごろいるぞ> ハンターのリーダーが手ほどきをしてくれるようだ <カメたちは長く呼吸をする必要がないからな じっと息を潜めて、水の底にいるのさ> <やつらは獰猛で、仲間内ですら戦いあうこともある> <ミンチガメの弱点は?> <撒き餌をするんだ、肉の塊を放りこんでやれば やつらは必ず、現れる> 筋肉質の男が、どこから持ってきたのか、大きなケースを開く その中から、ドライアイスが白い煙を噴き出している 凍らされた、鶏肉のひと固まりだった 筋肉質の男は、その鶏肉をぐわしとつかむと 池の中に放り投げた 鶏肉は、一瞬、池の水面にぷかりと浮かんだかと思うと 水の中に引き込まれるように沈む <頭を突き出した瞬間を狙え! すかさずぶっ放してやるんだ!> 僕は、鶏肉に食らいついている頭を見つける ハンターに言われた通り、そこに目掛けライフルをぶっ放した ばうん………ばうんっ………! 僕は小さな体に、ライフルの強烈な反動を受けるが その射撃は、見事にミンチガメの頭を捕らえていた <二十万、ゲットだぜ!> ●ハンターリーダー その間も、ムキムキ筋肉質の男は、いくつもの鶏肉を 池に放り投げていた ばうん………! おねいさんは、ライフルの反動を抑えきれなかったようだ ライフルは上に跳ね上がり、 ライフルの弾は、池に大きな水しぶきをあげて消えた <あーん……> <お嬢ちゃん、こうやるんだ、見てな> リーダーのハンターも銃撃に加わる ばうん………ばうんっ………! 一匹、二匹、三匹…… 正確に、何匹ものカメを仕留めていくハンター ハンターはおねいさんのそばにつき 丁寧に撃ち方を教えてやる <やだ、格好いい……> その成果があってか、 おねいさんは、一匹、カメを撃ち殺すことができたようだ とはいっても、岸に上がってきたカメだったが 陸に上がったミンチガメは凶悪そのもので あともう少しで、ひと?みされてしまいそうな距離だった 僕は、熱中してこのカメ狩りを楽しんだ 最終的に、10匹のカメを仕留めたことになる 計、二百万の大収入だった 帰り際、オカルト太ももおねいさんをリゾートに誘う、 ハンティングリーダーの姿があった <最近、リゾート地に別荘を買ってね、 湖のきれいなところなんだ、一緒に来ないかい?> <リゾートですか!行きます行きます> ふーん、湖の別荘ね……… ●わんこと家 <ただいまー> 家に帰りつくと、僕は買ってきたビニール袋を、 テーブルの上に置き、着替え始める <ひとっ風呂、あびるかー> 着替えるついでに、風呂に入ろうとすると 奥の方から、寝ぼけまなこの犬が、やってくる <おかえりさん> うちの自宅警備犬、ダムだった ダムは、くんくんと鼻を使って、 気になる匂いのもとを、追跡しているようだ <なんだ!この豪勢なベーコン! どうしたんだよ!今日は!> ビニール袋の中身に気づくと、どたばたと暴れだしたダム <風呂なんか入ってないで、早く、早く> 十分後…… めずらしくダムがおすわりをして礼儀正しい ダムはベーコンむしゃむしゃしながら、話を聞いていた <なるほどねぇ、カメがねぇ> <そうなんだよ、もうがっぽがっぽ……> <今の仕事より、向いてるんじゃねぇ?> <そうだよな!この仕事を本職に、出直してやる!> 今の仕事辞めるか―! 結構、本気になってしまいそうだ 毎日、大けがをするようなことばかりなのに この薄給では…… カメを殺すだけのこの仕事、ほんとに理想的だ <俺が街から飛び出したら もっと高額な懸賞金がかかるんだろうなー そう!雌犬と繁殖しまくってやるのに………!> ダムがなにか訳の分からないことを言っている もしそうだったら、喜んで保健所に持っていくところだ <残酷すぎ、ひでー、ほんとに飼い主かよ> ●外来種 <宇宙からの外来種かぁ でもそのカメ、もとはペットだったんだろ> <だれかが、池に放ったのかなぁ> ダムがペットのくせにもっともらしい質問をする ちょっと調べ物でもしてみるか カタカタカタカタ……… 僕は、ノートパソコンの前に座り ミンチガメを、検索をかけてみる くるくるくる 僕はマウスのスクロールを回して記事を読み込む <もうミンチガメは、ペットとして飼うのは禁止されたらしいよ 危険生物をペット、なんてことしてたら、捕まっちまう> 所有しているだけで逮捕のモンスター生物だった <じゃあ、なんで、いまだに各地でカメが繁殖するのかね> ネットでもミンチガメによって 多数の被害が出たことを示すニュースがたくさんある カメに荒らされた生態系は、後を絶たないそうだ 掲示板では、これらの犯人を推測するようなコメントが散見される ================ 業者の仕業www マッチポンプだろ、常考 通報しますた ================ そうだったのか、、あのハンター集団の仕業…… でも、なんかどうでもいいかも…… なんだか、コメント欄を見ていて、やる気がなくなってきた 別にこのままでも、いっかなー なんかやる気出すのださい病にかかってしまったのだ しかしそこで、リゾートに招待されていた、ふとももおねいさんを思い出す あいつらに付いていって無事で済んだだろうか 僕は仕方なく、座布団から立ち上がったのだった ●ふたつの卵 そこは湖の別荘だった 今は湖面上は、霧が濃く、一寸先も見えない 別荘から出てくる四人の人影があった 先頭をゆくのは、ハンター集団のリーダー 二番手の、ムキムキのハンターに引き連れられているのは 観光気分の太ももおねいさんだった 最後の一人は大きな二つの黒い卵を抱えた、ぎょろ目の男 卵係とでもいうべきなのだろうか 湖の岸辺へと近づいていく四人 <あの、これから、なにをするんですか?> きょろきょろと湖の周りを見渡すおねいさん <なに、ちょっとした儀式のようなものさ> ハンターリーダーは少し格好つけて帽子を右手で押さえる ぎょろ目の男は、ぶつぶつと言いながら、 ゆっくりと両手で持った黒い卵を、水面へとおろす <君らの子供は迎えに来るよ、アダムとイブちゃん………!> 二つの黒い卵は、オスとメス もちろん、あのミンチガメの卵であった これがこの湖に解き放たれれば 前例に同じく、この湖もまた、ミンチガメによって 弱肉強食の血の海へと、変貌してしまうのである だが、ぎょろ目の男が、卵を湖に落とそうとしたとき 一筋の閃光がきらめいた ●フラッシュカメラ ぱしゃあああ……… その閃光の正体はフラッシュカメラだった 突如、明るい光に照らされて、ひるんだ様子のぎょろ目の男 目を右往左往とさせると、ふたつの卵を後ろ手に隠す ジェニ君はボートの上から、ハンターたちが卵を落とそうとする 決定的瞬間を捉えたのである =================== <お、おまえは、あのときの………!> ハンターリーダーはすぐさま僕の正体に気づいてしまったようだ 証拠の写真は、本部に送信して、と…… 僕は、端末をひらひらとさせて、ハンター達に見せてみる <これは決定的な証拠になりますね> それを聞いて、ぎくりとするハンター達 <一体、なんのことだ?> その中で一人、とぼけてみせるハンターリーダー <そんな不鮮明な写真がなんになるというんだ? だが、人のバカンスを隠し撮るような小僧には、おいたが必要だな> ●ボート上の戦い ハンターリーダーは、背中に差していた ハンティングライフルを構えたかと思うと 次の瞬間、僕の持っていた携帯端末がぼかんと吹っ飛んだ ぼっちゃんと落ちる、携帯端末の残骸 なんて正確な射撃なんだ ぼ、僕の携帯が……… この霧の中、まさか撃ってくるとは思わなかった ハンターリーダーは続いて、ムキムキのハンターに合図を送り 二人がかりで僕を狙ってくるようだ おそらくは、僕の頭を狙ってくるであろうリーダー 今度ばかりは当たってしまうわけにはいかない 僕は、ミニボートに伏せこんでレバーを引き、ハンドルを回す すぐさま動き出す船 回り込み、加速する船に狙いを定めることは難しい すると、ボートの遮蔽を突き抜けて レバーを引く手を撃ちぬかれた また、ハンターリーダーの仕業だ ぐううう……、 僕は痛みに耐え、左手を抑え込む 浸水していく船 僕は、拳銃を構え、打ち返そうとするが、ぐらぐらとゆれる足場に狙いはそれる ずぎゅううううんん 下腹部にもう一発もらって、湖の中に転落してしまうのだった ●沈んで <陰に隠れても無駄だ! すぐにあの世に送ってやる!> 敵は湖に落ちて、ボートの影に隠れている ハンターのリーダーは、ボートのエンジンを撃ち抜く ぼおおおおおおおおおおおおんん ボートはそのまま、ガソリンに引火をし、大爆発を起こした <やったか……> しかし、その直後、リーダーは、目のくらむ銃撃を受ける その銃撃は、かろうじて、頭を避けていた ハンターハットを撃ちぬかれたのだ ぱさりと地面に落ちるハンターハット <ちっ………!!まだ生きて……… 早く頭を出せ!> 爆発を起こした船は、そのまま湖に沈んでいく 船と共に沈んでしまうのか もし、ひとたび、水面上に頭を出せば、 すぐさまこのハンターの餌食になってしまうだろう それにかけては、右に出るものがいない ========================================= ●湖の底 僕はゆっくりと湖の中を沈んでいく ここが天国なのだろうか……… 美しい色とりどりの魚たちが、海の底を踊っていた その魚たちが、僕が沈んでいくのに気づくと 僕に近づいてそっと下から支える 落ちていくのをせき止めようとしてくれているようだ その様子はまるで異国の絨毯に包まれているかのようだった 僕はそれを眺めながら、がくりと崩れ、水に身をゆだねる 夢の中================== これは……ネ、ネッシー!!! 伝説のネッシーじゃないか 夢の中に現れたネッシー ネッシーは吠える、 ぎゃおおおおおおおおおおおおおお その叫びは、水を震わせ、大地を揺るがした ================== ●湖底洞 ========================================= 目を覚ますと洞窟に僕はいた 周りは、岩の壁に囲まれ そして、すぐそばに水面が迫っている 僕はやがて、湖で溺れてしまったことを思い出す 助かったのか……? ここは、湖の底の横穴なのだろう 底に、空気の溜まっている空間が広がっていたのだ 助かった……!やったぞ! ここは安全地帯だ だが、どうやってここまで…… 助かったのは、気づかぬうちに自力で泳いだのか はたまたねっしーのおかげだったのか……… 僕は、魚たちと、夢のネッシーを思い出す 美しい生態系だった 僕の命を救われた恩返しだ あんなに美しいものを壊させるわけにはいかない あいつらを徹底的に叩きのめし、卵を破壊しなくては……… ●湖の捜索 僕は持っていた救急セットで、体の治療を済ませる スマホは破壊済みで、本部との連絡はとれない じきに、本部が動き出すではあろうが それではあの卵の放流に間に合わない 僕は包帯の巻かれた体で 空洞空間から、再び湖の中に戻っていく さきほど見たはずの魚たちは、すっかりなりを潜めていた 僕は水の中を、上を目指し泳いでいく <ぷはあ……はあ、はあ、はあ> やっとの思いで水面上に頭を突き出し、一呼吸入れる 霧の濃い湖の上では、何も見通しが利かない ちゃぷちゃぷと、水をかいて、湖の岸辺を探すと 霧の中に光の筋が動いているのが見える そこにはライトをかざしている男たちの姿があった どうやら、僕を撃ち殺すために捜索が行われているようだ 僕はライトの光から遠ざかるように移動し どうにか、陸に上がることができた 寒さから、ぶるぶると身を震わせる さて、どうやってやつらを壊滅させることができるだろう ライトなど自分たちの位置をみずから教えているようなものだ まして霧の濃いこんな湖では、捜索など無駄だった 案外、やつらは間抜けなのかもしれない…… 卵の放流は、身の安全が確保されてから行うはず 僕の捜索を終えれば、再び湖は危険に晒されるだろう 今のうちに、闇討ちを仕掛けるか ライトの光を頼りに、三人とも撃ち殺してしまうのだ だが、拳銃での狙撃には自信がなかった やつらは三人組で、ライフルを所持している もしかしたら、こちらの位置を突き止めて 三人で反撃を仕掛けてくるかもしれない ハンターリーダーの恐ろしい銃撃を思い出す 僕はわき腹の傷を抑えた 僕が思案していると、三人のライトの光が、あの別荘の方へと戻っていく きっと僕は死んだと思われたのだろう 捜索はとりやめか 僕は、はあ………とため息をついて、別荘を遠巻きに眺める ●遠方偵察 霧の中、双眼鏡を取り出して偵察を始める つくづく良い別荘としか言いようがない こんなところでゆっくりできれば……… 木材でできたその別荘は 霧でしけって腐らないように加工されているのだろう 二階建てで、三角屋根だ そしてなんとプール付きの物件だ 湖で泳げよとも思うが それがお金持ちのステータスというものなのだろう ・北、一階の大きな窓 遠くの湖を見つめるハンターリーダー まるで獲物を狙うかのような鋭い目つき しかし、それは海に消えた邪魔者を探しているのではない カメが溢れかえり、絶好の稼ぎ場となった湖 その未来を見据えているのだろう ・東、二階の窓 ・ぎょろ目の男、まるでかえるのような面をしている かえる男は、一人二階の部屋にこもりきっているが たまに、窓の中からぎょろぎょろとあちらこちらを見渡している 不規則な動作が侮れない 僕は移動しながら、別荘を観察する どこから侵入することができるだろう ・南、玄関口 むきむき男は玄関を守る鉄壁のガードマンとなっていた 暇そうに、ぼうっとした様子であたりを監視している 玄関の前には大きな車が止まっていた あれはやつらの乗ってきた車か 南には、玄関のほかに シャッターを閉め切られたガレージがある にもかかわらず、外に出されている車 よく見ると、車の中には、縄で拘束された太ももおねいさんがいた なるほど、むきむき男は彼女の見張り番でもあったのか ・西、使用人の裏口近く さきほどから気になっていた あの三人以外に人がいたのだ 庭で大きな芝刈り機を動かしていた人影 金で雇われたのだろう、使用人か 主人が留守にする間、別荘を守る、管理人のようなものだ 今は、三人が別荘に滞在しているからか 庭の手入れを行っている くるくると回って芝を刈っているため近づきがたい ●むきむき男 侵入できるルートは限られている 玄関か、締め切られたガレージのシャッター 使用人の裏口もある しかし鍵がかけられているだろう 後はすべて窓を割っての侵入だ 屋根を伝っていくこともできるが そこまで登るには背が足りない 僕は、じっと横になって時が来るのを待つ するとやがて変化が起こった 長いこと、むきむき男は見張りをしていて、眠くなったようだ ふわあとあくびをして、また気を取り直して、見張りを…… だが、車の中の拘束されたおねいさんを見て、考え込んでいる 見張りがつまらなくなったのだろう むきむき男は、車の扉を開けると 太ももおねいさんを立たせて、着いてくるように指図する そして、玄関を開けて、二人は別荘の中に消えてしまった ははあ……あの様子は、さては これであのむきむき男は、しばらくの間は無害だろう 玄関の鍵をかけるのは忘れなかったようだが 見張りがいなくなったのは好機、そう思い 僕は、隠れながら別荘へと近づいていく 使用人の芝刈り機が向こうを向いた瞬間にダッシュ 玄関の車の前に滑り込んだ 車の影から回り込んで、芝刈り機へと近づいていく そして、芝刈り機の後ろから、使用人を引きずり落とした <言え!> 使用人は動揺をしているようだ <ひええええええ……やめてくれ 私は金で雇われているだけ 何も知らない……> その場で、使用人をしめ落とし、放り投げた ●侵入経路 使用人の腰にちらりと光るのは、この家のマスターキーだった 玄関、裏口、その鍵がある しかし、そのどちらから入っても、あのハンターとの正面衝突だ……… ひやりと汗が流れる 一階にいる、あのハンターとの一騎打ち それだけはなんとしても避けたいところだ ん? 芝刈り機に入ったままのエンジンキー そうだ!これを使えば! 僕は、芝刈り機のエンジンを入れると ぶんぶんと移動させ、別荘の壁際へと移動させた よーし、この辺だ 僕はすこし、後ろに下がって、助走をつける そして、ぴょんと跳ねると、芝刈り機の上に飛び乗った 勢いを殺さず、芝刈り機の上から、もう一度足を蹴りだす ぴょん…… 二度目のジャンプ ちょうど飛び上がった先、別荘の屋根の端が手にかかる 僕の身長ではぎりぎりのところであった 僕は力を入れて、屋根へとよじ登る ここからなら、侵入は簡単だ 落ちないように、屋根伝いへと進み 北側、二階ベランダへと侵入する ちょうどプールが上から見渡せる場所だった ●ずんずんずん 外のベランダから、部屋の中をうかがう どうやら、お取り込み中のようだ この窓なら……… 僕はレーザー銃を取り出して ガラスの切断に入る 中の部屋は寝室となっている おねいさんは縄で縛られたまま 縛りプレイというのだろう、その真っ最中だ 僕が窓のガラスを切断して中に入ったのは ムキムキハンターがずんずんしてるところだった <うおおおおおおおおおおお!!> 叫びをあげて楽しんでいるムキムキ男 びゅっびゅっ <よかったぜ………> なんだ、今、終わってしまったのか 僕はムキムキ男に気づかれる前に後ろに回り込んでいた ムキムキ男がベッドから立ち上がろうとしたそのとき 僕は、後ろから左腕で太い首を絞めあげる <ぐわっ……なんだお前は……> ムキムキ男はそれを両腕で振りほどこうとする 僕は残った右腕で、すちゃりとレーザー銃を構える 目標はもちろん、まるだしになった男の弱点である ぴゅおおおおんんん、じゅうううううう…… <あががががががががが……> ムキムキ男は、悲鳴にならない悲鳴をあげて、泡を吹いて気絶した <ちょっと、これほどいて> おねいさんは、全身をぐるぐるまきに縛られている そして、その体をベッドの中に隠していた 目のやり場に困るな…… これは電車で見たふとももの中だ…… ごくりっ……… こんないい機会はめったにないぞ 僕は、急いで着ているズボンを下ろす そしてむきむき男と、入れ替わるように突進した <ずんずん!ずんずん!ずんずんずんずん!> ばこっ…… おねいさんに蹴り飛ばされる僕 ……………… ●かえる男 おねいさんはとりあえず放置して、 他の部屋のやつらを退治だ 寝室を出ると、そこにはもうひとつの部屋への扉と 一階へ続く階段があった 一階は怖いから、後回しだな すっかりあのハンターリーダーは、僕のトラウマになっていた というわけで、目の前の扉の方を選ぶ僕 この部屋は、外から偵察したな 僕は、持っているレーザー銃に力をこめる いつでもフルパワーで敵を吹っ飛ばせるようにだ ぎいと、音を立てて扉を開くと かえる男がそこにいた ぎょろりとした目でこちらを見てくる <キミはさっき、湖に沈んだはず……> 僕が突きつけている銃を、またぎょろりとした目で見る <参ったな、お手上げだ> かえる男は、手を少し上げると、 こそこそと部屋のわきにと下がる すると目に入ってきたのは 大きな丸い、水槽のような装置だった こんな機械が、どうしてこんなところに…… 水槽の中には、あの黒い卵が びっしりとぷかぷか浮かんでいる ミンチガメだ……! <この機械はいったいなんだ?> 僕は、ずいっと銃をかえる男に突きつける <さあ、なんだろうね、黒くて綺麗だろ?> とぼけるかえる男 だが、僕にはもうその正体の検討はついていた <これが卵を保護する機械なんだな?> <そういうことになるかな> やはり……! つまり、この機械を壊してしまえば こいつらの計画に使われる卵は、すべてなくなってしまうわけだ 僕はエネルギー銃を、この機械に向ける そして溜めていたエネルギーを一気に解放した ぴゅおおおおおおおんんん ばりーーーんっ……!!! びっしゃああああああ 水槽のガラスが吹き飛ぶと、中の水が勢いよく噴き出してきた よし、これで今回の件はおしまいか 卵がなくなれば、もうこのような事件は起きないだろう ●可愛い子ガメ <とっととこんな別荘、逃げ出すか> 僕はひとりつぶやく 足元が水でびちゃびちゃになり 黒い卵は、そこらじゅうをころころと転がっていた その時、突然、黒い卵に異変が起こる ぴしぴしぴし…… な、なんだ…… 僕は、そこらじゅうの卵に走る亀裂に動揺を隠せない <実はさっきの答えは嘘があるんだ> <なんだって?> <ミンチガメの卵が保護しなければいけないほど かよわいものだと思うかい?> <この機械は、保護をしているんじゃない 孵化を抑制するためのものなんだよ> 黒い卵はばきばきに、破られ とうとうその中身が姿を現す ぴぎゃーーーー それは生まれたての小さなミンチガメだった <さあ、こっちにおいで、可愛い子供たち> かえる男は何を思ったのか ぽこぽこと生れ出でるカメに手を差し出す 案の定、小さな子亀たちに かえる男は、手を噛みつかれてしまう <うぎゃああああああああああ> 手を振り回して絶叫するかえる男 なにやってんだ、こいつ…… 何百もの、一斉に生まれてくる子亀は みな、腹を空かせているようだ 僕をもターゲットにしようとしていた もちろん僕は、そんなものにやられるつもりはない ぴぎゃーーーーーー 迫る子亀たち ばたんっ 僕は子亀に噛みつかれる一歩手前で、ドアを閉める そして足と背中を使って、ドアを押さえ込む 子亀たちはぐいぐいと、僕の背中のドアを押しているようだ <あぎゃああああああああああああああ> ドアの後ろで聞こえてくる悲鳴 かえる男もお陀仏だ その時、階段下から 登ってくるハンターの姿が……… ●リーダーの野望 いま、忙しいのに…… ちゃき…… <やってくれたな> 僕の額に、ライフルを突きつけるリーダー <二人とも、だらしがない野郎だ、こんな小僧にやられるとはな> <卵は全て破壊したぞ> 正確には、みんな産まれてしまっただけなのだが…… 僕は、強がって、リーダーにふんと鼻を鳴らす <予備の卵はすべて破壊されてしまったな だが、まだ卵はまだあと一組残されている> そういえば、湖に放とうとした卵の存在を忘れていた 僕は、今度はちっと舌打ちを鳴らす <どうだ今から、考え直してみないか?> 意外にもリーダーは、僕に提案をしてきた <俺たちはそんなに悪いやつらじゃないと言いたいんだ> 僕の額に銃を突きつけながら、リーダーは言う <ターゲットには金を持ってそうなところだけ、狙っているのさ そっちの方が稼げるしな つまり、俺たちゃ義賊ってわけよ………!> ハンターリーダーは腰につけているひとつのカプセルを見せる カプセルには一組の卵が入っていた <みろ!この卵を………! こいつにいくらの値がつくと思う………?> <池に放り投げて、ちょっとほっておけば一億さ………> <ミンチガメのメスは一度に二百個の卵を産む 百億も夢じゃない!> <この宝石を利用しない手はあるか………??> にやりと笑って見せるハンターリーダー <まだ間に合う、仲間に入れてやってもいいぜ> ●口笛 まったくもって、そのとおり…… いや…… ご、ごほん……… 冷や汗をかきながら、訂正をする僕 <稼ぎたいのはやまやまだが……… この間手伝ったのは、あくまで害獣駆除> <あんたらを放置してたら、コロニーの自然はめちゃくちゃだ………> <害獣はカメじゃない、あんたらのほうだよ> <そうか………、仲良くやっていけると思ったんだがな> リーダーはちょっとむっとした顔になる <話は終わりだ、ミンチになってもらおうか> ハンティングライフルの引き金を引こうとするリーダー ひゅーい……… 僕は何の気もなく、口笛を吹いた <何の真似だ?> みしみしみしっ……… <返しておくものがあるんだよ> 足と背中にかけていた力を、ふっと解く 僕は、ドアが勢いよく開くその力で押し出される ぴぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーー あふれ出す小亀たち <ひ、ひいいいいいいい………!?> ハンターリーダーはあまりのことに一瞬、ひるんでしまったようだ 僕は同時に、寝室の方へ駆け出していた <ま、待て!逃がすか!> ●最後の戦い ばたんっ、、 どんどんどんどん…… ベッドルームの鍵を閉めると 死に物狂いでドアを叩くハンター それも当然のこと、後ろからは小亀ちゃんたちが迫っているのだ <開けろー、開けやがれ!!> 僕はベッドの上にいた縛られたふとももおねいさんを抱え上げ、 急いでベランダへと出る そして、おねいさんをぽいっとベランダから突き落とした ばうん………! ベッドルームの鍵が、ライフルの弾で吹き飛ばされる ハンターがベッドルームの扉を蹴りあけ、こちらをライフルで狙ってくる! 僕はベランダから、急いで下へと飛び降りた 頭からプールへと真っ逆さまだ ざぶんっ…… ハンターが、急いでベランダに出てくるのを目にとらえることができる <ちくしょうっ………!頭を見せろ!> ばうん………ばうんっ………! ハンターは次々とライフルを乱射するが プールの中では弾は逸れていく これは光の屈折というやつだった 僕は、潜水し、銃へとエネルギーを込めていく きゅううううううんん…… これで最後だ! 僕がプールの中から放った光りの弾丸は 木製ベランダの底へと突き刺さる ぼぉぉぉぉぉぉん……… 溜めに溜めたエネルギー弾は、大爆発を起こす ハンターリーダーはベランダごと、プールの中へと吹き飛ばされた ぼちゃん………ぼちゃぼちゃぼちゃぼちゃ その後次々と、小亀たちがプールの中へと帰っていく 僕は縄で縛られた太ももおねいさんを プールの外へと引き上げていた そこに、ハンターの最後の卵カプセルがころころと転がってくる <うわああああぁぁぁぁ……… 助けてくれー………!!> プールに溢れかえる小亀たち お前が見ていたのはこの程度の未来だったんだ 次第に燃え上がり、火が回っていく別荘 そこへ、本部からの救助隊が駆けつけてくるのだった 救助ヘリに乗せられて 朝方、日の光に当てられた湖が浮かび上がる <あ、ねっしーだ!> ちゃんちゃん……………… ネッシー 宇宙生物??的な守り神的な存在である 』 |